兎沢古墳群

静岡県焼津市 2010年3月訪問

8基、見学可能4基

6号
横穴式石室、玄室幅1.5,高2m
位置:34°53′48″N 138°20′31″E (日本測地系)
    34.90080314 138.33775139(世界測地系)
石室正面


天井部壊失


幅の割に背の高い石室、奥壁2段積みと他もほぼ同様の構造


奥から外


7号
横穴式石室、全長5m以上、玄室幅1.8,高2m
石室正面、前部崩壊


後部は良好に残る


やや持ち送り背の高い玄室


奥壁はやはり2段積み


奥から外、下は崩壊した石材、左側側壁も危なそう


8号
横穴式石室
天井石が1枚だけ残存


石室内部、奥も上部を失う


奥から外


後方上部から


9号
横穴式石室、全長3.5m以上、玄室幅1.7,高2m
上部を失った石室、覆い屋で保護


巨石2段積みの奥壁


猪、鳥、樹木の線刻壁画があるそうだ


国内唯一の猪線刻壁画


(見学記)
焼津市小浜、東名高速道路日本坂トンネル南側出入り口辺りの丘陵上8基からなる古墳群です(1-3号は埋戻し、4号消滅、5号欠番)。高速道路脇から登っていく道路がありくねくね曲がった道路を1km程行って別の道路と交差する辺りに説明板が立っています。そこから見学用のロープ道がありますがあまり整備されたものではありません。6-9号が見学可能ですがどれも墳丘ははっきりせず天井部が失われているなど状態はそれ程よくありませんがこのような場所にしては割と大きな石室です。一番上の9号は覆い屋で保護されています。奥壁に線刻壁画があり特に猪の線刻壁画は国内唯一だそうですが中に入れないので入り口から肉眼で見ても分かりません。写真で何とか線刻かなと分かる程度です。それにしても尾根上とはいえかなりの急傾斜地で平坦部も殆どなくこのような場所によく構築したなというのが正直な感想です。説明板辺りに僅かに駐車スペース有り。

猪之谷神社古墳(奥屋敷3号)

静岡県焼津市 2010年3月訪問

横穴式石室、現存長2.5m、玄室幅1.4,高1.5m
位置:34°53′31″N138°18′24″E (日本測地系)
    34.89524759 138.30358881(世界測地系)

墳丘正面、江戸時代六鈴鏡が出土したことで有名


石室後部しか残っていない、左側の石組みは後世のものかな


斜め前より


玄室奥、石室自体もそれ程大きくはない


(見学記)
焼津市関方、猪之谷神社境内にある円墳で前部が大きく壊され石室露出、こちらも奥の方だけで現存長2.5m程しか残っていません。内部に祠が祀られています。江戸時代に六鈴鏡が出土したそうで古墳よりもそちらの方の案内板があちこちにあります。

笛吹段古墳群

静岡県焼津市 2010年3月訪問

32基、大半消滅

公園内分布図(説明板より)白丸の2基のみ見学可


1号
横穴式石室
位置:34°53′49″N 138°19′18″E (日本測地系)
    34.90024703 138.31858703(世界測地系)
石室開口部、前部破壊


玄室後部は良好に残る


背が高く構造は近くの兔沢古墳群に似る


4段積み奥壁、隙間が殆どない


26号
横穴式石室
位置:34°53′47″N138°19′18″E (日本測地系)
    34.89969157 138.31914253(世界測地系)
公園内に保存


上部を失った石室


石室は小形


27号
横穴式石室
上部を失った石室、入り口側が少し開いているかも


斜め前から


石材も小形


(見学記)
焼津市坂本、高草山南側斜面の標高260m辺りの高所に分布する32基からなる古墳群ですが大半が消滅しています。笛吹団公園の中に26,27号が保存されています。どちらも上部を失った小形の石室です。公園上方に1号?の石室があり前部が少し破壊され埋まっていますが奥は良好に残っています。やや持ち送りのある背の高い玄室で奥壁は4段積み、石材の隙間が殆どない見事な積み方です。公園からは直接行けず回り道をしないと行けないので知っている人に案内して貰わないとなかなか分からないでしょう。ここの公園自体途中の道が複雑で分かりにくいです。公園駐車場有り。

塔作8号

静岡県静岡市(旧清水市)2010年3月訪問

横穴式石室、全長3m、8C初
位置:35°03′12″N 138°28′19″E (日本測地系)

    35.05662075 138.46884753(世界測地系)

移築された石室


上部を失う


小形ながら造りは本格的、入り口部分のは閉塞石でしょうか


奥から、床面には敷石


(見学記)
清水区庵原町、三池平古墳西方庵原球場駐車場に移築保存されました。全長3mの上部を失った石室でテントのような覆い屋を架けて保存されています。なんでも石室全体をウレタンで包んで移築したそうです。8C初終末期の古墳で石室は小形だけど奥壁は3段積み床面に敷石などなかなか本格的な造りです。

賤機山古墳

静岡県静岡市 2006年3月訪問

円墳、R32,H7、6C後半
横穴式石室、玄室長6.5,幅2.6,3.8m
位置:34°58′46″N 138°22′42″E (日本測地系)
    34.98273872 138.37524605(世界測地系)

細長い丘陵の先端に気づかれた大型円墳


石室正面、前庭を持つ


長い羨道


巨石を使った大型玄室


家形石棺、側面に縄掛け突起が3個ずつ付く


模型


(見学記)
駿府城北西、南北に伸びる細長い丘陵の南端に築かれた大型円墳です。南側に石室が開口、前面に前庭があり羨道入り口に柵があってここから内部を眺めることになります(内部照明有り)。玄室に家形石棺が見えていますが羨道が長いので縄掛け突起の様子はカメラで撮って後から確認しないとよく分かりません。側面に縄掛け突起が3個ずつ付いた珍しいタイプです(奈良県條ウル神古墳に同じタイプがあってこの時調べて気がついた)。国史跡。ここは賤機山公園となっているが公園入り口が分からず南側麓に文化財資料館(入場料200円、石棺レプリカがあり)があるのでこの駐車場に車を止めて見学しようと思ったが資料館は分かっても入り口がなかなか分からない、前の道路は交通量が多くてゆっくり走ることも出来ず結局前を2,3往復してしまった。

神明山古墳群

静岡県静岡市(旧清水市)2010年3月訪問

4基、現存2基

1号
前方後円墳、TL70
位置:35°02′18″N 138°29′18″E (日本測地系)
    35.04162293 138.48523505(世界測地系)

後円部、県内最古クラスの前方後円墳


削平された部分を石列で表現


4号
横穴式石室、全長10.5m、玄室長6.8m

1号東側、細長い石室が残る


天井石が最後部の3枚しか残っていない


持ち送りのない側壁


奥壁は巨石1枚石


奥から外


(見学記)
清水区袖師町、国道1号清水バイパス庵原交差点東側にある神明宮にある古墳群で4基中1,4号が残っています。低い丘陵頂部にあるのが1号、全長70mの前方後円墳で前方部が撥状に開く静岡でも最古級の前方後円墳です。でも一部が削られ前方後円墳らしい形はなく削られた後が石列として表示されています。東側にあるのが4号、墳丘ははっきりしませんが長い石室が残っています。天井石は後部の3枚だけ奥壁は巨石1枚石、側壁も持ち送りがなく7C前半のいかにも後期仕様です。1号と4号では時代差が2,300年はありそうで同じ古墳群としていいのかな。

大鈩2号

静岡県静岡市 2010年3月訪問

横穴式石室
箱式石棺
位置:34°56′39″N 138°21′47″E (日本測地系)
    34.94746489 138.35997073(世界測地系)

長田西中学校に移築復元


天井部を失った細長い石室


奥壁も側壁と同様の積み方


内部に蓋石を失った箱式石棺


石室後方上から


(見学記)
静岡市駿河区丸子1丁目、長田西中学校内に移築復元されています。上部を失っており長さの割に幅の狭い石室、奥壁は側壁同様小形石材を積み上げています。内部に蓋石を失った箱式石棺があり1基で玄室内をほぼ占拠しています。読みは”おおだたら”です。

室ヶ谷古墳群

静岡県静岡市(旧由比町)2010年3月訪問

5基、実質3号のみ残存

2号
石柱があるから分かる程度


石室?


3号
横穴式石室、現存長6m、幅2.1m
位置:35°06′30″N 138°34′10″E (日本測地系)
    35.1116171 138.56633261(世界測地系)
本光寺境内に保存


石室下部が残るのみ、奥壁も復元かもしれないとのこと


床面に敷石、前後2区画に分かれる


(見学記)
静岡市清水区由比、5基からなる古墳群ですが実質本光寺境内にある3号だけでしょうか。本堂前の駐車場側にありますが「古代豪族の墓」と書かれた標柱があってあまり古墳らしくありません。格子戸越しに中を覗くと上部を失った石室が保存されています。奥壁は巨石の1枚石(復元かもしれないとのこと)、床面には敷石がしかれていますが前後にはっきり分かれていてその中間は敷石が細かく左右にやや大きめの丸石が置かれています。境内に2号もあり側に標柱も立っていますがただの石組みのようにしか見えません。

三池平古墳

静岡県静岡市(旧清水市)2010年3月訪問

前方後円墳、TL67,R43、5C初
竪穴式石室
位置:35°03′00″N 138°29′01″E (日本測地系)
    35.05328804 138.48051317(世界測地系)

シンプルに復元された墳丘


前方部から後円部、墳頂から左くびれ部に伸びる石列が、竪穴石室の復元排水溝


復元された竪穴石室、内部に未盗掘の割竹形石棺があった


(見学記)
清水区原、清水ナショナルトレーニングセンター南側の丘陵にあり復元整備されました。全長67m5C初の前後で北側は2段築成平野に向かう南側は3段築成になっています。発掘で出土しなかったのでしょうか葺石も埴輪もなくシンプルな復元の仕方です。後円部頂には竪穴石室を復元、内部に未盗掘の割竹形石棺があったそうですがこれは見ることが出来ません。これも側に復元して欲しかったな。竪穴石室からくびれ部に伸びる排水溝があったそうでこれも復元、実際に排水溝として機能しているようです。市史跡。駐車場有り。

丸山古墳出土石棺

静岡県静岡市 2006年3月訪問、2010年3月再訪

(06年)
登呂遺跡に保存された家形石棺


左の組合式が玄室、右の刳抜式が羨道にあった、組合式には印籠式の合わせ目がある


外にも石棺がある


石棺底石と蓋石か、説明が無く詳細不明


(10年)
位置:35°02′38″N 138°30′29″E (日本測地系)
    35.04717789 138.50495551(世界測地系)
埋蔵文化財センターに再移築




(見学記)

(2006年)
登呂遺跡に家形石棺が復元保存されています。北側駐車場(こちらは無料、南側は有料)近くに金網で囲まれた覆い屋に家形石棺の身が2基あり、片方は組合式で玄室にあった物、もう一方は刳抜式でこちらは羨道にあったそうです。組合式の方は印籠式の合わせ目もはっきり残っています。側に苔むした石棺の底石や蓋石がありますがこちらは説明が無くて詳細不明。

(2010年)
清水区横砂東町、以前登呂遺跡に置かれていた石棺が埋蔵文化財センターに移されました。館外に置かれていますが前の状況よりはいいかな。石棺の身はまだ覆い屋の中にあったけど蓋石は野ざらしだったからな。それでも相変わらず詳しい説明はなし。
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