雨の宮古墳群

石川県中能登町(旧鹿西町)2003年5月訪問

前方後円墳1、前方後方墳1,方墳1,円墳33基
4C後半~5C初
公園として整備されている

1号
前方後方墳、TL64,R43.6,RH8.5,FW21
位置:36°58′22″N 136°52′28″E

2号からの遠望、墳丘・葺石復元


前方部下から後方部


後方部角


2号
前方後円墳、TL65,R42,RH7,FW28

1号からの遠望、互いに前方部が向き合っている


後円部側


4号
尾根上にある墳丘


5,6,7号
2号後円部からの眺め、右より5,6,7号、7,5,6号の順に構築された。遠方に邑智地溝帯が遠望できる


17号
円墳、R16,H1.5
箱式石棺

1号後方部脇にある、1号より先に構築された、箱式石棺は未発掘


(見学記)

丘陵麓下を走る県道2号を走っていくと町役場の少し東側に案内表示があるのでそれに従って行きます。途中までは急な山道ですが前線舗装道路、3,4kmでつきます。古墳群は主墳の1,2号周辺が公園化され駐車場もあります。1号は全長64mの前方後方墳、2号は65mの前方後円墳で墳丘が修復され1号には葺石も整備されています。1号は標高188mのピークにあり絶景の眺め、南側は急な崖になっていて邑智地溝帯が一望できるすばらしい場所です。後方部のすぐ側に径16mの円墳17号があり一見陪墳のようですがこちらの方が先に構築されたそうです。箱式石棺蓋石が露出していますが内部は未発掘だそうです。それにしても17号と1号には圧倒的な差があり政治的な地位が大きく変化したのでしょうか。1号と2号では形が違い前方部を向き合っているのも興味深いです。駐車場脇に資料館(入館料200円)がありますが、金土日祝日しか開館していません。国史跡。

河田山古墳群

石川県小松市 2003年5月訪問

前方後円墳2,前方後方墳2、方墳35,円墳21、4C~7C
住宅、工業団地で大半消滅
1,9号が現状保存、12号は移築保存
33号は資料館内に石室移築、他数基現状保存

分布模型図、茶色の部分は消滅

西からの遠望、中央丸い林の中に1,9号がある、左側の建物が資料館


1号
前方後方墳、TL25,R15,FW15
位置:36°24′32″N 136°31′14″E

墳丘側面、左側が前方部だが低くて分かりづらい


後方部


12号
方墳、L15、7C
横穴式石室、玄室長5,幅2.25m

1号脇に移築、2段外護列石、石室前は前庭となっている


切石積み玄室、天井がアーチ状の可能性がある


33号
資料館内に移築された石室、前庭がハの字状に開く


切石積み石室


石室後方から


(見学記)

前方後円墳2、前方後方墳2、円墳21、方墳35基、4C~7Cにかけての古墳時代のほぼ全期にわたる大古墳群だが工場団地や住宅開発で殆ど消滅、僅かに丘陵南端にあった1号、9号が古墳公園として現状保存(他に1,2基保存)、12号が移築保存されました。古墳公園の脇に資料館(無料)があります。この中に33号の石室が移築されています。上部を失っていますが玄室は切石積みで羨道はなく前庭がハの字に開く終末期の特徴を示した石室です。1号は全長25mの前方後方墳で前方部が撥状に開く古式古墳ですが現状では背が低く側に説明板がないと気づかないかもしれない。すぐ側に切石石室を持つ9号墳があるはずだが埋め戻されているんだろうか全く分からなかった。資料館の人にも聞いたけど全く知らないようだった。1号の側に12号が移築復元されています。一辺15mの方墳で2段の外護列石を持った北陸では珍しい墳丘です。こちらも切石積みの玄室で上部を失っていますが側壁上部が僅かに曲面を持って曲がっていてアーチ状の天井が推測されています。

丸山古墳

石川県加賀市 2003年5月訪問

13基、7C後半~8C初
高塚のような名称だが横穴群
位置:36°17′46″N 136°23′45″E

右と左上に1基、その下にも1基埋まっている


上記左上の横穴内部


別の横穴内部、鑿の跡が残っている


(見学記)

一見高塚のような名前だがここも横穴群。地形図に丘の頂にあるような感じだったので多少期待していったのだがやはり横穴だった。13基からなる群だが整備は全くされていない。ただ幾つか開口している横穴は割と状態がよく鑿の跡が分かるほど。横穴にしては割と奥行きがあるようで入り口で手を叩くと反響が返って来るのが分かる。市史跡。

狐山古墳

石川県加賀市 2003年5月訪問

前方後円墳、TL56,R26,RH5.5,FW20、5C後半
箱式石棺
位置:36°18′18″N 136°22′57″E

平野部に立地する墳丘、南側が大きく削られている


箱式石棺保存施設、戦前のせいかかなり豪華


(見学記)

市内二子塚町、平地に立地する全長56mの前方後円墳です。細長い墳丘が残っていますが樹木に覆われて分かりづらい。戦前に切石の箱式石棺が出土したそうで現在後円部に保護施設が出来て保存されています。箱式石棺の割にはかなり豪華な建物、戦前のせいでしょうか。その割にはそんなに古くはないみたいですが。国史跡。

法皇山横穴群

石川県加賀市 2003年5月訪問

4群約80基、公園として整備
位置:36°17′46″N 136°23′45″E

D群40,41号


C群57-61号


A群4-7号


9号玄室、広い棺台を持ち排水溝を持つ


(見学記)

市内勅使町、丘陵端の小さな丘を利用して造られた80基程の横穴群です。現在公園として整備され、下に駐車場と出土遺物の展示室(無料)があります。4群に分かれていますがそれ程広い場所ではないので見学に時間はかかりません。下の方には広い棺台を持った横穴もあり排水溝も掘られています。現在でも水がしみ出てきていて当時もかなり湿っぽい場所だったんでしょうか。国史跡。

散田金屋古墳

石川県宝達志水町(旧志雄町)2003年5月訪問

円墳、R21、6C後半
横穴式石室、全長10m、玄室長5.72,幅2.65,高2.76m
家形石棺、2.3×1.1×1.27m
位置:36°51′08″N 136°49′09″E

墳丘、石室正面


玄門


玄室、一度解体して整備


組合式家形石棺、石川県では唯一の家形石棺、装飾化した四角い縄掛け突起が付く


奥から外


(見学記)

国道159号に「古墳の湯」の案内表示があるのでそれに従って国道を逸れ、県道を道なりに2.5km程行くと左手丘陵上に古墳が見えてきます。径20mの円墳で墳丘復元、石室も解体修理して整備されたそうです。羨道の途中に柵がありますが事前に教育委員会に申し込めば見学できるそうです(時間がないので隙間からちょっと失礼させて貰った ^^;)。玄室自体は側壁も奥壁も中型の石を積み上げている。玄門は袖石を立てた両袖式。奥壁沿いに県内唯一の組合式家形石棺が安置されています。蓋石が1枚なくなっていますがほぼ完存、蓋石にはそれぞれ四角い縄掛け突起があります。それ程特徴のない石室と比べてかなり精密な作りでやはりどこかから運ばれてきたのでしょうか。国史跡。

石坂鍋山古墳群

石川県宝達志水町(旧志雄町)2003年5月訪問

円墳6基

尾根上に並ぶ古墳群


1号
円墳、R30,H3.5、6C末
横穴式石室、全長8m
位置:36°51′18″N 136°49′02″E

谷間の中の丘陵に築かれた墳丘、石室は埋戻し


2号
円墳、R20,H2.6

復元墳丘、左後方が1号、右遠方に散田金屋古墳がある


3号
2号から見た墳丘


(見学記)

散田金屋古墳がある丘陵の西側一帯が公園となっていてその中にありました。全くの副産物でラッキー。6基からなる古墳群で1-3号が尾根上に並んでいます。主墳の1号は径30m程の円墳で横穴式石室を持っていますが埋め戻されています。2号も20m程の円墳で横穴式石室が推定でき未盗掘の可能性もあるそうです。この2基と尾根先端にある3基が墳丘が復元されていますが他の3基はよく分かりません。1-3号の乗る尾根はそれ程高くはありませんが谷中の平野が一望できる眺めのよい場所でした。町史跡。
古墳見学の後は「古墳の湯」で一汗流す。暫く風呂に入ってなかったことだし気分は最高だ。今回は古墳の側に温泉があったのは2度目、それにしてもちょうどいい場所にあったもんだ。

柴垣古墳群

石川県羽咋市 2003年5月訪問

前方後円墳1,円墳2,他

柴垣親王塚古墳
前方後円墳、TL35,R20,RH4.5,FW1.5、6C中
横穴式石室
位置:36°56′33″N 136°46′03″E

後円部、人頭大の自然石を使った葺石


横穴石室(説明板より)埋め戻されている


柴垣ところ塚古墳
円墳、R25、6C後半
横穴式石室(T字型)、全長2.53m、玄室長1.74,幅4.46m

農地整理で発見、石室上部を失っていた、本成寺境内に移築保存


県内で2例しかないT字型石室


柴垣円山1号
円墳、R21.5,H2.5、5C中
箱式石棺
位置:36°56′38″N 136°46′05″E

本成寺境内の小丘上にある墳丘


箱式石棺蓋石


(見学記)

市内柴垣町海岸に面する低い丘陵上にある古墳群で前方後円墳1,中型円墳2,他からなっています。

柴垣円山1号
本成寺境内の低い高まりの上にある径21mの円墳です。墳頂に箱式石棺が露出、蓋石に薄い板状の石が使われています。副室付きで中から人骨や武具が出土しています。県史跡。
同じ境内に柴垣ところ塚古墳の石室が移築されています。農場整理で発見されたそうで上部はすっかり失われていますがT字型の珍しい玄室です。T字型と言うよりも細長い玄室の横に小さな通路が付いたような感じです。これは全く思いがけず見つけた物で思わぬ収穫でした。
小さな谷を挟んで北側に円墳の観音山古墳がありますが岡の周囲に家があって行きにくそうだったのでパス、どうせ石室もないし。

柴垣親王塚古墳
本成寺南側、神社の広い森の中にある全長35mの前方後円墳です。本殿脇に墳丘があり墳丘は割と残っていて、海岸の石でしょうか人頭大の丸みを帯びた石を葺石に使っています。横穴石室があるが埋め戻されてみることは出来ない。説明板に写真が載っています。
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