夏吉古墳群
福岡県田川市 2012年12月訪問
39基、1,21号が市史跡
1号
円墳、R14.2,H3.5、6C後半
複室石室、全長8.2,前室長1.8,幅1.7,高2.3,後室長2.2,幅2.3,高2.5m
石棚
位置:33°40′28″N 130°49′27″E (日本測地系)
33.67773417 130.82180056(世界測地系)
墳丘石室とも良好

石室正面

羨道、左右で石の積み方が大分違う

前室

後室、奥壁は巨石1枚石、奥行きはあまりない、左側は側壁に突き出た石棚

石棚の様子、まさしく棚

棚上部、前面が欠けていてあまり物を置けそうにない

天井石は1枚石

奥から外、両袖式、床面には敷石

左袖石、まるでナイフで切ったよう

右袖石も板状

前室奥から

〃(縦位置)

羨道奥から、床面の石は仕切石か閉塞石か

墳丘背後から

2号
円墳、R21
複室石室
位置:33°40′31″N 130°49′21″E (日本測地系)
33.67856746 130.82013395(世界測地系)
南側ため池越しに見た2,3号、堤を歩いて行くことが出来るが車で行ったほうが早い

荒れ果てた竹林の中に巨大な墳丘

石室には柵があって入れない、下が埋まっていて開かずもう何年も誰も入っていないんだろうな、前面はハの字状に開く、元々天井はなかったかも

割と長い前室

前室右側、巨石2段積み

左側は3段積み

奥壁は巨石1枚石のようだ

3号
横穴式石室
位置:33°40′29″N 130°49′18″E
墳丘背後から

前は大きく削られ石室開口

狭い開口部、天井側から入れるがそこも狭い

玄室は良好、奥壁側壁も基部に巨石を据える、左上角が三角持ち送り

〃(縦位置)天井は1枚石、袖石は幅広く短い

奥から外、両袖式、開口部の石が一段下がっているようだからやはり複室石室かな

〃(縦位置)ゲジゲジ注意

21号
円墳、R25、7C初
複室石室、全長12.5、前室長2.5,幅1.9,高2.6、後室長3.19,幅2.8,高2.88m
位置:33°40′18″N 130°49′32″E (日本測地系)
33.67495664 130.82318942(世界測地系)
開けた場所の奥に見えている

墳丘正面

開口部、天井石や玄門が直線的

前室

〃(縦位置)

後室、奥壁巨石1枚に上に詰石、側壁が左右対称になるよう積んでいる

〃(縦位置)天井が広く1枚石

奥から外、両袖式、袖石は切石状の1枚石

前室奥から(縦位置)

墳丘背後から

35号
複室石室
位置:33°40′20″N 130°48′46″E (日本測地系)
33.67551229 130.81041212(世界測地系)
南からの遠望、左の道路は県道22号、墳丘自体は取り残された丘の頂部にある

墳丘東側、反対側は大きく削平

開口部、羨道壊失、前室もかなり破壊

後室開口部、袖石も天井石も切石状

完存する後室、基部に巨石上部に平石を重ねる、右上角が三角持ち送り

〃(縦位置)

奥から外、両袖式、袖石は左右対称

〃(縦位置)

ドーム状の天井

(見学記)
田川市夏吉、かなり広範囲に分布する古墳群で現在見学可能なのは1,2,3,21,35号くらいでしょうか。1,21号は市の史跡で案内表示があちこちに出ているので見学は容易です。1号は大きなため池東側(Googlemapで見ると浄水場があるがそんなものがあったかな)尾根先端の高まりを利用して構築、径14.2mの円墳で墳丘はよく残り南側に石室開口、全長8.2mの複室石室で羨道までよく残っています。羨道途中には仕切石、前室右側の側壁は1枚石の巨石で普通の石室なら奥壁としても使えそうです。後室は奥壁巨石の1枚石背が高いですが特にドーム状と言った感じはありません。一番の特徴は左側壁に石棚があること、石屋形と言うには位置が高すぎるしなんでこんな場所に設置したんでしょうね。上面前部が欠けているので副葬品を置くにしてもあまり置けそうにもないな。前室後室とも敷石が敷かれています。2,3号はため池北側、HP大和古墳墓取調室で”ため池外周の道路を左回りに行く”と書かれているのを勘違いして(12時の位置なら左だろうけど6時の位置なら反時計回りは右じゃないか)左手方向に行ってしまいました。堰堤の先はため池から離れていくのでさすがにおかしいと思い堰堤を渡っていきましたが結果的にこれが近道となりました(帰りは左回りで帰って大回りになりましたが)。林の中を登っていくと頂部に良好な墳丘があり南側に石室開口、これが3号です。複室のようですが羨道は壊失前室もかなり埋まっています。天井石の隙間から何とか入れますが上手に入らないと頭から土を被ってしまいます。玄室は完存、基部に大型石材を据え上部は持ち送り天井は広くなっています。後から写真を見るとゲジゲジが大量にいましたが知らなければ問題なし(笑)。ここから谷を挟んだ東100mに2号があります。竹林の中に大きな墳丘がありここも南に開口、残念ながら入り口に柵があります。鍵はかかっていませんが錆と下部が埋まっていてピクリとも動きません。もう長い間誰も入っていないんじゃなかろうか。複室石室で規模は1号より大きそうなだけに中に入れないのが残念。2,3号北側を通る道路を西に行って県道419号と交わる交差点角に独立丘陵のように取り残された丘がありその頂部に35号があります。道はありませんが登るのはそれ程難しくなく頂部に墳丘西半分が削られています。そちら側に石室があるが北回りで行って大失敗、南回りの方がずっと楽でした。石室は複室ですが羨道壊失前室もかなり破壊されています。後室は完存、ドーム状ですがそれ程高くなく天井石は広い1枚石です。それにしてもこんな場所によく残してくれたものです。1号に戻ってそこから南に400mに21号があります。道路脇に案内表示がありそこから100m程登ると古墳があります。ここも墳丘が良好に残っていて石室開口、全長12.5mの複室石室で羨道前部が少し破壊されているようですが他は良好に残っています。切石状の巨石を組み合わせた石室は見事の一言、明らかに1号よりは後で7C初だそうです。後室奥壁は巨石1枚石+α、側壁も下側に巨石を据えています。天井部は広く平面に仕上げた1枚石を使用、それに対して前室天井石は下部が丸みを帯び自然石をそのまま使っているようです。どちらも床面に敷石があります。古墳前の下方斜面に巨石が突っ立っていて羨道天井石かと思いましたが墳丘背後にも巨石がゴロゴロしていて元々そんな石が多くあったようです。1,21号が市史跡。
39基、1,21号が市史跡
1号
円墳、R14.2,H3.5、6C後半
複室石室、全長8.2,前室長1.8,幅1.7,高2.3,後室長2.2,幅2.3,高2.5m
石棚
位置:33°40′28″N 130°49′27″E (日本測地系)
33.67773417 130.82180056(世界測地系)
墳丘石室とも良好

石室正面

羨道、左右で石の積み方が大分違う

前室

後室、奥壁は巨石1枚石、奥行きはあまりない、左側は側壁に突き出た石棚

石棚の様子、まさしく棚

棚上部、前面が欠けていてあまり物を置けそうにない

天井石は1枚石

奥から外、両袖式、床面には敷石

左袖石、まるでナイフで切ったよう

右袖石も板状

前室奥から

〃(縦位置)

羨道奥から、床面の石は仕切石か閉塞石か

墳丘背後から

2号
円墳、R21
複室石室
位置:33°40′31″N 130°49′21″E (日本測地系)
33.67856746 130.82013395(世界測地系)
南側ため池越しに見た2,3号、堤を歩いて行くことが出来るが車で行ったほうが早い

荒れ果てた竹林の中に巨大な墳丘

石室には柵があって入れない、下が埋まっていて開かずもう何年も誰も入っていないんだろうな、前面はハの字状に開く、元々天井はなかったかも

割と長い前室

前室右側、巨石2段積み

左側は3段積み

奥壁は巨石1枚石のようだ

3号
横穴式石室
位置:33°40′29″N 130°49′18″E
墳丘背後から

前は大きく削られ石室開口

狭い開口部、天井側から入れるがそこも狭い

玄室は良好、奥壁側壁も基部に巨石を据える、左上角が三角持ち送り

〃(縦位置)天井は1枚石、袖石は幅広く短い

奥から外、両袖式、開口部の石が一段下がっているようだからやはり複室石室かな

〃(縦位置)ゲジゲジ注意

21号
円墳、R25、7C初
複室石室、全長12.5、前室長2.5,幅1.9,高2.6、後室長3.19,幅2.8,高2.88m
位置:33°40′18″N 130°49′32″E (日本測地系)
33.67495664 130.82318942(世界測地系)
開けた場所の奥に見えている

墳丘正面

開口部、天井石や玄門が直線的

前室

〃(縦位置)

後室、奥壁巨石1枚に上に詰石、側壁が左右対称になるよう積んでいる

〃(縦位置)天井が広く1枚石

奥から外、両袖式、袖石は切石状の1枚石

前室奥から(縦位置)

墳丘背後から

35号
複室石室
位置:33°40′20″N 130°48′46″E (日本測地系)
33.67551229 130.81041212(世界測地系)
南からの遠望、左の道路は県道22号、墳丘自体は取り残された丘の頂部にある

墳丘東側、反対側は大きく削平

開口部、羨道壊失、前室もかなり破壊

後室開口部、袖石も天井石も切石状

完存する後室、基部に巨石上部に平石を重ねる、右上角が三角持ち送り

〃(縦位置)

奥から外、両袖式、袖石は左右対称

〃(縦位置)

ドーム状の天井

(見学記)
田川市夏吉、かなり広範囲に分布する古墳群で現在見学可能なのは1,2,3,21,35号くらいでしょうか。1,21号は市の史跡で案内表示があちこちに出ているので見学は容易です。1号は大きなため池東側(Googlemapで見ると浄水場があるがそんなものがあったかな)尾根先端の高まりを利用して構築、径14.2mの円墳で墳丘はよく残り南側に石室開口、全長8.2mの複室石室で羨道までよく残っています。羨道途中には仕切石、前室右側の側壁は1枚石の巨石で普通の石室なら奥壁としても使えそうです。後室は奥壁巨石の1枚石背が高いですが特にドーム状と言った感じはありません。一番の特徴は左側壁に石棚があること、石屋形と言うには位置が高すぎるしなんでこんな場所に設置したんでしょうね。上面前部が欠けているので副葬品を置くにしてもあまり置けそうにもないな。前室後室とも敷石が敷かれています。2,3号はため池北側、HP大和古墳墓取調室で”ため池外周の道路を左回りに行く”と書かれているのを勘違いして(12時の位置なら左だろうけど6時の位置なら反時計回りは右じゃないか)左手方向に行ってしまいました。堰堤の先はため池から離れていくのでさすがにおかしいと思い堰堤を渡っていきましたが結果的にこれが近道となりました(帰りは左回りで帰って大回りになりましたが)。林の中を登っていくと頂部に良好な墳丘があり南側に石室開口、これが3号です。複室のようですが羨道は壊失前室もかなり埋まっています。天井石の隙間から何とか入れますが上手に入らないと頭から土を被ってしまいます。玄室は完存、基部に大型石材を据え上部は持ち送り天井は広くなっています。後から写真を見るとゲジゲジが大量にいましたが知らなければ問題なし(笑)。ここから谷を挟んだ東100mに2号があります。竹林の中に大きな墳丘がありここも南に開口、残念ながら入り口に柵があります。鍵はかかっていませんが錆と下部が埋まっていてピクリとも動きません。もう長い間誰も入っていないんじゃなかろうか。複室石室で規模は1号より大きそうなだけに中に入れないのが残念。2,3号北側を通る道路を西に行って県道419号と交わる交差点角に独立丘陵のように取り残された丘がありその頂部に35号があります。道はありませんが登るのはそれ程難しくなく頂部に墳丘西半分が削られています。そちら側に石室があるが北回りで行って大失敗、南回りの方がずっと楽でした。石室は複室ですが羨道壊失前室もかなり破壊されています。後室は完存、ドーム状ですがそれ程高くなく天井石は広い1枚石です。それにしてもこんな場所によく残してくれたものです。1号に戻ってそこから南に400mに21号があります。道路脇に案内表示がありそこから100m程登ると古墳があります。ここも墳丘が良好に残っていて石室開口、全長12.5mの複室石室で羨道前部が少し破壊されているようですが他は良好に残っています。切石状の巨石を組み合わせた石室は見事の一言、明らかに1号よりは後で7C初だそうです。後室奥壁は巨石1枚石+α、側壁も下側に巨石を据えています。天井部は広く平面に仕上げた1枚石を使用、それに対して前室天井石は下部が丸みを帯び自然石をそのまま使っているようです。どちらも床面に敷石があります。古墳前の下方斜面に巨石が突っ立っていて羨道天井石かと思いましたが墳丘背後にも巨石がゴロゴロしていて元々そんな石が多くあったようです。1,21号が市史跡。