西油山古墳群

福岡県福岡市早良区区 2018年2月訪問

石室墳、確認11基
(番号見学順、ほぼ下から)

その1
位置:33°31′41″N 130°21′27″E (日本測地系)
   33.53135175 130.35517588(世界測地系)
偶々車を停めた側に開口石室があった、結果的にこれは一番状態がよかった


羨道前上部壊失、立って入れる程の高さ


羨道後部、単室のようです


玄室、鏡石を左右に並べる


ドーム状という程ではないが背が高い、奥壁と側壁の境界がハッキリしない


狭い天井


奥から外、両袖式、立柱式の袖石はなさそう


墳丘も割と残る


その2
だいぶ削られた墳丘


石室正面から、手前のは天井石でしょうか、幅の割に背が高い


玄室、人の背の高さ程


〃縦位置


多分1枚石だったろう天井石、玄室前部壊失のようです、それにしてもよく残った


玄室左側


〃右側


その3
墳丘正面、手前のは外護列石か後世の石垣か


石室正面、羨道壊失、ここも幅の割に背が高い


乱石積みの玄室、基部の石材がやや大きい


〃縦位置


奥から外、両袖式のようです


奥から右方向


〃左方向


その4
割とよく残る墳丘


中腹に石材露出


狭い開口部


カメラを突っ込んで撮影、状態は良さそう


ならばと突入してみました、基部に腰石を据えた奥壁側壁


〃縦位置、ドーム状と言っていいかな


狭い天井部


奥から外、両袖式、一応袖石があるかな


〃縦位置


羨道奥から、狭いのは入り口部分だけ


墳丘を上から


その5
低い墳丘頂部に石材露出、右後方にその6


上部を失った石室、正面が奥壁側


石室後部上から、左側が胴張りのような


その6
良好に残る墳丘、期待したのだが


頂部が窪んでいる、これは怪しい


頂部に石材露出、内部埋没


その7
割と墳丘が残る、後方にも墳丘が見えている


激狭の開口部


カメラを突っ込んで撮影、割と残っているがかなり乱れている


天井部も開口、背が高くて入るの断念


これが奥壁


墳丘、山側から


その8
墳丘、左手前の石も古墳関連か


天井部が開口、玄室前部辺りか


開口部から撮影した奥壁、やはり背が高い


結局中に入って撮影、大小2つの鏡石を並べる


〃縦位置


奥から外、両袖式、羨道埋没


玄門から左側、脚立無くても入れるよ


〃右側


その9
低い墳丘、手前のは外護列石でいいかな


激狭の開口部


内部の状況は良さそう


その10
大木が生えた小さな墳丘


石材露出、天井石かな


その11
低い墳丘


隙間開口部


ここも石室の状態は良さそう


見学記
福岡市早良区野芥、徳栄寺周辺にある古墳群で多分幾つかの支群に分かれる。分布状況は全く分からず事前にネットで見つけていたのは寺に至る道路沿いにある1基だけ。寺方面に登っていったが見つからず車を停める場所もないので寺の大きな看板前に空き地がありそこに車を止めてみるとラッキーなことにすぐ前の林の中に幾つもの古墳がありました。尾根先端部分に密集しているようでここで11基の古墳を見つけました。外護列石を持つ墳丘も幾つかあってそのせいか墳丘の残り具合が良い。石室はどれも単室、良好に残っているのは2基程度ですがそこそこ見られるのも多く全く状況が分からないなかでは満足できる訪問となりました。序に寺周辺も廻ってみたけど見かけなかった。帰り時に車で下っていくと幼稚園辺りでネットで見つけていた石室がありましたがこの日は幼稚園でイベントが行われていたようで車が多くて止められず大した石室でもないので撮らずに帰りました。家に帰ってから地形図を見ると古墳がありそうな地形が他にもあってもっと広く探せばよかったかなとちと後悔。現地は林で地形の様子はまるでわからないからしょうがないですが。

大牟田古墳群

福岡県福岡市南区 2018年2月訪問

A1号
横穴式石室
位置:33°31′25″N 130°24′07″E (日本測地系)
   33.52690841 130.39961743(世界測地系)
尾根先端に立地、手前に尾根を削った跡がある


ここも背の高い墳丘がよく残る


開口部は狭いが入るに問題なし


羨道奥の天井が一段下がる、まぐさ石かもしれない


背の高い玄室、やや持ち送りがある、奥壁は重ね餅のような3段積み


〃縦位置、天井が狭い


狭い天井、天井石は2枚かな


奥壁前に敷石がある


奥から外、両袖式、重量感のあるまぐさ石


〃縦位置


羨道奥から外、天井は1枚か


反対側からの墳丘、尾根先だが最先端ではない


尾根をカットした様子


A2号
墳丘は割とよく残る


墳頂はざっくり掘られ石材は殆ど見られず


1,3号の例からするとこちら側に開口してるはず


A3号
横穴式石室
位置:33°31′27″N 130°24′13″E (日本測地系)
   33.52746391 130.40128392(世界測地系)
尾根上から見た墳丘、住宅街から近づくとこれが真っ先に見つかる


良好な墳丘が残る


南向きに石室開口


尾根裾の緩斜面に立地、石室の位置を考えると殆ど元の高さが残っているかな


狭い開口部だが入るのに問題なし


羨道後部が残る、高さは低い


持ち送りのある玄室、奥壁は大小2枚の縦長鏡石を並べる、1号とは奥壁が随分違う


〃縦位置、天井は大きな1枚石


右側壁はちょっと怖いほど傾いている


反対側、鏡石に使えそうな三角形の石


奥から外、両袖式、特に袖石はなさそう


〃縦位置、巨大でボリューム感のあるまぐさ石


羨道奥から、天井は平面感がある


墳丘背後から、やはり開口部のアクセントがないとね


見学記
福岡市南区柏原1丁目、周りがすっかり住宅地に開発されている中で林が残されています。幾つかの支群に分かれているようですがここはA支群のようで3基の古墳が見られます。場所は100%の確信はなかったのですが南側住宅地から林の中に入っていくと斜面下に墳丘が見えていてホッとしました。これがA3号、背の高い墳丘が残っていて南西に開口、羨道玄室ともよく残っています。入り口が多少土砂で埋まっていますが入るのに問題なし、単室の両袖式、奥壁は大小2枚の石を並べています。天井石は1枚の巨石、まぐさ石もすこぶる巨石です。北側にあるのがA2号、墳丘は残っていますが南側には開口部は見当たらず反対側に廻ると大きく盗掘され石材が幾つか見える程度、徹底的に破壊されているようですが羨道くらい残っているかな。更に北側にあるのがA1号、尾根上に立地、尾根筋をカットした跡も残っています。必ずしも尾根先端ではなさそうです。これも南西に開口した単室石室、両袖式でここもまぐさ石が巨大、羨道天井も兼ねているようで羨道途中で天井が一段下がっています。奥壁は3段積み、持送りがあり天井もやや狭く3号より古いかもしれない。床面には石材が散乱していますが石棺があったかな。東側にも同様の尾根がありますがそちらには何もなかった。墳丘造りには絶好なんだけどな。すぐ近くにある1号と3号、立地がだいぶ違うし石室奥壁の様子も随分違うが玄門の様子はよく似ているというのも興味深い。

寺塚穴観音古墳

福岡県福岡市南区 2018年2月訪問

円墳、R20、6C
複室横穴式石室
位置:33°33′17″N 130°21′11″E (日本測地系)
   33.55801543 130.35073121(世界測地系)

お寺境内、丘陵中腹に立地


長い石段を登っていきます


拝殿背後に石室


石室正面、かなり改変を受けている


石室内部、御堂として利用、羨道壊失


前室左側、あまり引っ込んではいない


〃右側、こちらもそれ程引っ込んでいない


前室天井


前室と玄室の通路は屋根もありまるで簡易型石屋形のよう


巨石で構成された玄室、奥壁には阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩が彫られている


通路部分の石材には仁王像


反対側にも仁王像、阿形吽形でしょうか


墳丘は高まり程度に残っている


見学記
福岡市南区寺塚2丁目、興宗寺境内にある古墳です。寺北側丘陵中腹にある古墳は墳丘が比較的残り南に開口する複室石室です。羨道は殆ど壊失していますが前室後室完存、玄室壁面に観音菩薩、阿弥陀如来、勢至菩薩が浮彫りされています。前室と後室の間は通路上になっていて左右は壁面となっておりここにも両方に仁王像?が浮彫りされています。信仰の対象になっているので入れるのは前室までです。寺周囲がすっかり開発しつくされている中で古墳の周りだけがかっての静けさを保っています。山門前に駐車場有り。市史跡。

梅林古墳

福岡県福岡市城南区 2018年2月訪問

前方後円墳、TL27,R15.5,RH3、5C後半
横穴式石室埋戻し
位置:33°32′34″N 130°21′11″E (日本測地系)
   33.54607228 130.35073152(世界測地系)

団地内に保存、国道から入ってすぐ


墳丘は復元


前方部から後円部


発掘当時の様子(説明板より)


見学記
福岡市城南区梅林5丁目、団地の一角に保存されている前方後円墳です。全長27m,5C後半で古式横穴式石室を持ちますが埋め戻されています。復元墳丘だし石室は見られませんが途中なので寄ってみました。すぐ側に高速道路が通るなど現代の中に古代がポツンと残されています。団地の各建物に埴輪など出土遺物に因んだ絵が描かれているのが面白い。市史跡。

大平寺古墳群

福岡県福岡市南区 2008年1月訪問

7基、公園内に保存

分布図(説明板より)1-3号は殆ど分からず


4号
墳丘東側


墳丘西側、大きく盗掘をうけている


5号
墳丘北側


南側、大きく盗掘


6号(穴観音古墳)
横穴式石室、玄室長4,幅2,高2m(凡そ)
位置:33°31′43″N 130°23′51″E (日本測地系)
   33.53190784 130.39517303(世界測地系)
西側に開口、墳丘は大きく掘り込まれている


石室正面、手前の石組みは後世のもののようだ


羨道


玄室、奥壁より側壁の方が石材が大きめ


奥から外、両袖式


7号
西側盗掘跡


(見学記)
大平寺2丁目、緑地保全地域内に7基保存されています。現在は北側がため池になっていますが元々は尾根ごとに構築されていたようです。6号が別名穴観音古墳と呼ばれ石室が開口しています。入り口の石に楔穴がうがたれ危ういとこだったようですが観音様の御利益でしょうか石室がほぼ完存しています。玄室は4×2×2m程度、奥壁は下部に鏡石を据えていますが石材の大きさはまちまち、むしろ側壁により大きな巨石が使われています。4,5,7号は無惨なほど盗掘の跡を残しています。いかにも横穴石室を盗掘したという感じの堀方、石一つ残してないほどの徹底ぶりです。盗掘跡から推定して7,5号と6号は西向きなのに対して4号は南向きに開口していたようです。1-3号は低平なのかその場所に行っても存在が分からなかった。

宮前古墳群

福岡県福岡市東区 2008年1月訪問

残存3基

1号
横穴式石室
神社境内に玄室のみ残存、周囲はかなり改変されている


内部は祠が祭られている、背の高い玄室


2号
天井石が僅かに露出する程度


3号
円墳、R10、6C末
横穴式石室、全長7.3m
位置:33°41′02″N 130°26′52″E (日本測地系)
   33.68716929 130.4454417(世界測地系)
公園内に現状保存


墳丘背後から、左奥の神社に1,2号がある


墳丘正面


石室正面、羨道前部は下部のみ、石室は柵があって入れない


羨道


玄室奥壁


(見学記)
高美台2丁目、高美台南公園南西隅に3号、南側に隣接する大神神社社殿裏側に1,2号があります。団地造成で猿の塚古墳、高見古墳群が消滅、この3基だけが残りました。3号は緩斜面に構築され墳丘も割と良好、斜面をカットした跡も残っています。南側に開口、羨道前部の天井石を失っているが他は良好、ただ柵があって中には入れません。社殿の裏にあるのが1号、ここも玄室だけが残っていますが中に祠が入っていているし柵があってよく観察できないけど3号よりやや小さく石材も小型のようだ。すぐ東側に隣接しているのが2号、墳丘ははっきりせず天井石が僅かに露出しているだけ。20m程離れた場所に古墳を思わせる土盛りがあったけど説明板の分布図が無ければこちらを2号と勘違いしそう。多分史跡。

舞松原古墳

福岡県福岡市東区 2008年1月訪問

帆立貝式古墳、TL37,R29.5,RH4.3、4C末
位置:33°38′38″N 130°27′13″E (日本測地系)
   33.6471742 130.45127629(世界測地系)

丘陵頂部に構築、少し小さくなっているが大きな墳丘が残っている


右手前に前方部があるが殆ど消滅


(見学記)
舞松原4丁目、住宅団地内に残された丘陵頂部にある帆立貝式古墳で福岡市東部では数少ない前期古墳です。頂を平坦にならし墳丘を構築、現在も大きな墳丘が残っていますが前方部は殆どなくなっているようで石で輪郭が表示されています。墳頂部も盗掘されているようで少し凹んでいます。東側にある松香団地から登っていったけど結果的にここが一番道が狭かったようで他にも2,3カ所登り口があるようです。史跡。

部木古墳群

福岡県福岡市東区 2008年1月訪問

前方後方墳2、円墳7基

分布図(説明板より)


1号
前方後方墳、TL23
位置:33°37′46″N 130°29′20″E (日本測地系)
   33.6327318 130.48655134(世界測地系)
北東側、周溝も残っている


東南側、小型ながら墳形良好


南西側


2号
前方後方墳
後方部、前方部ははっきりしない


3号
道路で一部削られる


4号
奥に1号、左奥2号


5号
円墳の中では一番良好


6号
祠の土台となっている


7,8,9号
3基とも墳丘ははっきりしない


(見学記)
蒲田3丁目、福岡ICすぐ北側にある部木八幡宮境内にある前方後方墳2,円墳7からなる古墳群です。微高地に構築され古墳はかなり狭い範囲にまとまってます。ほぼ中央にある1号はさすがに後方部こそ後円部のようになっているけど墳丘や周溝の様子がよく残っています。すぐ隣の2号は前方後方墳かなと言われればそうかなと思う程度の細長い墳丘が残る。後は3,5号がましな程度で他は分布図が無いと分からないくらいです。神社駐車場有り。史跡。

金隈遺跡内古墳(仮称)

福岡県福岡市博多区 2008年1月訪問

位置:33°33′34″N 130°28′26″E (日本測地系)
   33.56273941 130.47155515(世界測地系)

金隈遺跡のある丘の最高所に位置する、石室基底部が残っていたが埋戻し


(見学記)
金の隈1丁目、甕棺が大量に出土した金隈遺跡のある細長い丘陵が金隈遺跡公園となっていてその最高所にあります。全長6m程の横穴石室を持つが下部のみ残存それも埋め戻されています。わざわざ埋め戻すこともないと思うんだけどね。甕棺が出土したままの状態を展示館(無料)として公開されています。

今里不動古墳

福岡県福岡市博多区 2008年1月訪問

円墳、R34、6C末~7C初
複室横穴式石室、全長11.2m、玄室幅4.1,高3.9m
位置:33°33′03″N 130°28′52″E (日本測地系)
   33.55412953 130.47877671(世界測地系)

丘陵麓の斜面に立地


石室前の御堂


御堂の背後に石室開口


羨道からして十分巨大


前室


前室側壁


巨大な玄室


奥壁に浮き彫りされた不動明王


玄室左側壁


玄室右側壁、左側に比べて積み方が粗い


天井石も巨石1枚石


奥から外、両袖式


(見学記)
金の隈3丁目、県道574号に案内板があるが古墳と反対側にあるため見逃してしまい探すのえらく時間がかかってしまった。傾斜面にある墳丘は全体が林になっています。階段を下りていくとお堂がありその背後に巨大な石室が開口しています。全長11.2mの複室石室で羨道までよく残っています。前室は羨道と天井の高さは同じ、玄室にはいると幅4.1m、高さ3.9mと巨大な空間が広がっていて奥壁は巨石2段積み、下側の石に御不動様が浮き彫りされています。側壁も2段積みですが奥壁以上の巨石が使われ天井も1枚石の巨石です。とにかくその巨大さに圧倒されますが残念なことに玄室が祭祀の場として色々な物が置かれ特に側壁の間に幕が引かれている為写真がすごく撮りづらくなっています。県史跡。
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