福岡県福岡市西区 2018年2月訪問
消失を含めて前方後円墳13基他総数350基以上、首長墓の系譜を辿れる古墳群
(西側から見学順に表示)
飯氏二塚古墳・
兜塚古墳・
丸隈山古墳・
山ノ鼻1号・
若八幡宮古墳・
今宿大塚古墳・
鋤崎古墳(クリックでジャンプ)
飯氏二塚古墳前方後円墳、TL49.6,R27.3,FW36.9,RH5、6C初
横穴式石室(破壊)
位置:33°33′43″N 130°14′54″E (日本測地系)
33.56523443 130.24601579(世界測地系)
丘陵から突き出た短い尾根上に構築、南側から見た後円部

前方部から後円部

後円部から前方部、端が広がる新しい形式

後円部側面が大きく盗掘

石室や葺石の様子(説明板より)
円墳二塚から兜塚に行く途中にある、割と大きい、道路向かいにあるはずの立柱石は記憶がない
兜塚古墳前方後円墳、TL53,R43,RH6、5C後半
横穴式石室、全長4.4m、玄室幅2.4,高1.6m
位置:33°33′44″N 130°15′02″E (日本測地系)
33.56551234 130.24823775(世界測地系)
道路脇にある説明板から見た墳丘、手前が前方部のようだがハッキリしない

石室は前方部の方を向いている

石室正面、前部は少し破壊

竪穴石室を思わせる古式横穴石室

側壁は持ち送りがあり天井石は大型

右側壁

左側壁

奥から外、画面下のは閉塞石?

よく残る後円部、上部は広い平坦面になっている

平坦面端に上段墳丘、大分削られている
丸隈山古墳前方後円墳
横穴式石室
箱式石棺
位置:33°34′14″N 130°15′16″E (日本測地系)
33.57384511 130.25212581(世界測地系)
県道脇に大きな墳丘、これは前方部端

墳丘図(説明板より)

上部は広い平坦面になっている

後円部中央に石室、1927年に復元修復、玄門は破壊だが前方部の方、北向きに開口

側壁奥壁とも小口積みの初期横穴席室

2基の箱式石棺は側板を共有した珍しいタイプ

蓋石には彫り込みがある、幅が石棺とあわないような

上部墳丘、これも復元なんだろうか
山ノ鼻1号前方後円墳、TL37,R21、4C前半
位置:33°34′21″N130°15′45″E (日本測地系)
33.57578982 130.26018075(世界測地系)
公園化され墳丘復元

周りはすっかり商業施設などに開発、以前の様子は
古墳とかアレで見ることが出来ます

開発前の墳丘、くびれ部葺石(説明板より)
若八幡宮古墳前方後円墳、TL44,R27(前方部消滅)、4C前半
位置:33°34′14″N 130°15′45″E (日本測地系)
33.57384558 130.26018086(世界測地系)
山ノ鼻1号からの遠望、交通量の多い国道等があって横断が面倒なので手抜き
大塚古墳(今宿大塚古墳)
前方後円墳、TL64,RH6.5、6C前半
位置:33°34′12″N 130°16′22″E (日本測地系)
33.57329053 130.270458(世界測地系)
すっかり裸になって現状保存、余計な装飾をしなくてよかった

北からの側面、手前に外堤、尾根筋に直行するように立地

前方部隅方向から、北側に広い周溝

南東方向から

南側からの側面、こちらの方が地形が高い

北側にも外堤と2重周溝

後円部北側周溝、地形的に水は溜まってなかっただろうな

復元前の航空写真(説明板より)
鋤崎古墳前方後円墳、TL62,RH7、4C後半
位置:33°34′06″N 130°17′12″E (日本測地系)
33.57162456 130.28434611(世界測地系)
県道脇に大きな説明板、ここから入っていける、後方の林の中に尾根先端に構築された墳丘がある

前方部から後円部、墳丘は極めて良好、古式横穴石室は埋戻し

後円部から前方部

丘尾切断部

前方部端

古式石室(説明板より)
見学記高祖山北麓に分布する消滅も含めて前方後円墳13基を含む350基以上の大古墳群、首長墓の系譜が辿れる貴重な古墳群として7基の前方後円墳が国史跡に指定されています。でも国道202号や高速道路が通り周辺は大規模開発されて7基だけでもよく残ったなと言うのが正直な感想です。場所が場所だけに車では訪問しづらい場所です。(西側から訪問順に紹介)
飯氏二塚古墳福岡市西区飯氏、筑前高校北200m、丘陵上にある全長48mの前後です。林の中に墳丘が良好に残っていますが後円部が大きく抉られ主体部は殆ど破壊されています。説明板に写真が載っていて横穴石室が僅かに残っていたようです。石室の様子や前方部端が広がっている形式から群中でも新しい前方後円墳のようです。因みに飯氏の読みは”いいじ”です。
兜塚古墳福岡市西区飯氏、二塚東方200mの所にある全長53mの前方後円墳です。前方後円墳とは言え前方部は短く低平、帆立貝式に近い形です。後円部頂は広く平坦でこれだけ見ると中期古墳ですが平坦部の端に高まりがあり石室が構築されています。見ただけでは竪穴石室ですが古式横穴石室だそうです。後円部中央でなく端の方、しかも下段でなく上段の一部を墳丘上に盛り上げて石室構築、開口部(壊失)も前方部の方を向いているのが竪穴石室とは異なります。
二塚との間に円墳がありますが頂部が大きく盗掘されている。道向かい側に2本の袖石を思わせる石柱が立っているそうだが記憶にない、あれば撮っていると思うんだが。
丸隈山古墳福岡市西区周船寺、古い町並みの中に大きな墳丘が残っています。前方部北向き、前方部に階段があって登っていきますが何十段もあります。上部はほぼ真っ平ら、当時からそうだったんでしょうか。後円部中央に石室がありますがこの石室の為に一段分大きくなっている。小口積みの石室は竪穴石室を思わせますがさすがに竪穴としては巨大過ぎる、5C前半の初期横穴石室だそうです。石室の位置と言い開口部の方向と言い如何にも竪穴から横穴への移行を思わせる石室です。開口部は前方部を向いていて残念ながらその部分は失われていますがこれだけ残っただけでも奇跡的です。内部に2基の箱式石棺がありますが間の石が共通になっています。一つだけでも箱式石棺としてはかなり大型、2基連結なので更に大きく見えます。柵があるので中には入れませんが隙間が大きいのでこれで十分。前方部側に駐車スペースがありますが東側から来ると入れるのに苦労しそう。
山ノ鼻1号福岡市西区徳永北、ここは周りがすっかり開発され古墳の場所も広い公園として整備されています。前方部を北に向けた前方後円墳で全長37m、4C半ばで群中最古だそうです。ただ本体は埋めて復元なので訪問しても面白味はありません。公園はまだ一部整備中でしたが駐車場はなさそう。HP「古墳とかあれ」で開発前の状態が見られますが古墳も周辺もまるで別物だわ。
若八幡宮古墳福岡市西区徳永、山ノ鼻1号北側にある前方後円墳ですが前方部は失われています。すぐ側ですが間に交通量の多い国道があるので歩いていっても時間がかかるし車で行っても停められそうな場所もないので遠望に留めました。
大塚古墳(今宿大塚古墳)
福岡市西区今宿西1丁目、ここも広い公園になっています、てっきりここも墳丘修復かと思いましたが現状のまま裸の状態で保存されていましたホッ。全長64mの前方後円墳で6C前半、古墳群の中でも終わりの頃のようです。当然横穴石室でしょうが主体部は確認されていないようです。周りを幅広い周溝が巡り南側は2重になっています。ここが他とちょっと違うのは尾根筋先端に立地していますが主軸が尾根筋に直交していることです。他は尾根と同じ向きになっていますからね。ここも駐車場はないようです。
鋤崎古墳福岡市西区今宿青木、群東端にある全長62mの前方後円墳で4C後半、早い段階の築造のようです。北側県道に説明板が立っていてその辺りから入っていけます。林の中にある墳丘は非常に良好で削られたり崩れているようなところは見当たりません。前方部があまり広がらないのも古式な様相、後円部中央に初期横穴石室がありますが完全埋戻しで全く見られません。南側尾根を切断した跡もハッキリ残っていてこれも古いタイプを思わせます。石室は見られないけど良好な墳丘を見るだけでも訪問した価値がありました。説明板道路反対側に歩道の広い部分がありそこに駐車しました。