山口古墳群

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2002年4月訪問、2007年3月訪問

1号
横穴式石室、石棚
位置:33°58′33″N 133°34′57″E (日本測地系)
   33.97914654 133.57988617(世界測地系)
水田の中に残る墳丘(西側)


南側から、石室を覆う程度に墳丘が残る


開口部、右側の白い石が奥壁


石棚のある玄室


奥から外、羨道埋没


4号
墳丘、上に箱式石棺の石材を使ったらしい祠があった


(見学記)
(2002年)
IC東側、丘陵麓近くの緩傾斜面に立地する4基からなる古墳群です。1号は高速側の水田の中にすっかり小さくなった墳丘がある。東側に開口部があるがこちらが奥側、内部は多少埋まっているがそれより笹が密生していて入るのは困難でした。川之江市の古墳を紹介しているHPを見るとなんと石棚があるではないですか。開口部から覗いたすぐ頭の上にあったんではないですか。全く気づかなかったよ、大ショック。このHPは事前に見ていたはずなのに忘れていたのかな~、知らなければよかった。4号墳は150m程南、団地脇の水田の中にあります。墳丘の上に板石を使った祠がありますが箱式石棺の石材を使用したのでしょうか。2,3号は痕跡しか残っていないようで見つけることは出来ませんでした。

(2007年)
前回石棚を目の前にして悔しい悔しい思いをしたので再訪してきました。古墳の方は相変わらず開口部から中を覗くとやはり細竹が密生していました。1年前OBITOさんが掃除しているはずなのに成長が早いですね。周りは水田墳丘上だけ竹が生えている状態で竹も一生懸命なんだな。と言ってもこれを取り除かないと撮影できないので愛媛でここが最後と言うこともありしっかり掃除させて貰いました。そうやってじっくり見ると石棚はおろか石室自体が割と良好に残っているのが奇跡としか言いようがない状況ですね。

東宮山古墳

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2002年4月訪問

円墳、R14,H3、6C前半
横穴式石室
位置:33°58′40″N 133°34′51″E (日本測地系)
   33.98109073 133.57821971(世界測地系)

中央の独立丘稜頂にある、手前の水田に山口古墳群が分布


正面奥が古墳、手前に箱式石棺、陵墓参考地


(見学記)
三島川之江IC北側の独立丘頂にある。丘は小さいが下から登る石段は長~い。頂に小さな広場に箱式石棺があり古墳はその右手にある。径15m程の小さな円墳で横穴石室を持ち鏡や玉類など豊富な遺物が出土したが現在は陵墓参考地となっている。

瑞華の森古墳

愛媛県四国中央市(旧伊予三島市)2002年4月訪問

円墳、R25、6C後半
横穴式石室2
1号石室、全長9.1m、玄室長4.96,幅1.6,高2.28m
2号石室、全長4.2m、玄室長3.1,幅1.7,高1.94m
位置:33°58′23″N 133°34′16″E (日本測地系)
   33.97636916 133.56849865(世界測地系)

石室正面、全体が建物の中に保存されている


玄門、羨道


玄室横、奥に第2石室


玄室奥、右奥の側壁の方が奥壁っぽい


石室奥より、やや胴張りの玄室、手前と右側に平石を重ねた棺床がある


2号石室、1号は西向き、2号は南向き



(見学記)
伊予三島IC西側500mの所にある。農道建設の際に水田下から発見された。墳丘は既になく石室も上部を失っていたが市内最大の石室を持つ1墳2石室の円墳です。現在石室は整備されて建物の中に保存されています。建物は鍵がかかっているが周囲の窓からでも十分に観察できます。ただガラスが汚れていたのでちょっと拭き掃除してから撮影、しかも外光がガラスに反射するのでそれを防ぎながら撮影するのがちと大変だった。偏光フィルターがあれば楽だったんだけどね。じつはこの古墳は全くの予定外、IC近くの丘の上にある四ツ出山古墳や経ヶ岡古墳を訪ねるつもりで地元の方に尋ねたのだがそちらは知らなくてこちらの方を教えてもらった。ある意味ラッキーだったかも。市史跡。

住吉古墳

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2002年4月訪問

円墳、R15,H2.5、7C
横穴式石室、全長9.3m、玄室長5.3,幅2.3,高2m
位置:33°59′37″N 133°34′41″E (日本測地系)
   33.99692177 133.57544219(世界測地系)

石室開口部


石室背後、墳丘はすっかり小さくなり上に神社がのる、奥壁や天井石の一部が露出、小さな石垣は後世のもの


玄室、奥から外、奥壁の隙間から撮影


(見学記)
市役所南西600m、この地域には珍しく平野部に立地しています。墳丘はすっかり小さくなり上に神社が鎮座していますが玄室は完存しています。社殿の後ろ側に石室が開口、ここは柵があり内部も暗くてよく見えません。残念に思っていると反対側に石段がありよく見ると奥壁は天井石が露出しているじゃないですか。その隙間から内部を覗くことが出来ました。勿論真っ暗で何も分かりませんがカメラを突っ込んでストロボを焚くと両袖式の石室が確認できました。当日は神社の祭りのようで出店も出ていました。そんな中での古墳見学はちょっと場違いな世界に来た感じでした。市史跡。

大空高原古墳群

愛媛県四国中央市(旧土居町)2002年4月訪問、2007年3月訪問

現存10基

2号
横穴式石室
位置:33°57′23″N 133°27′57″E (日本測地系)
   33.95970279 133.46322881(世界測地系)
畑の中に残る墳丘


北側から、遠くに四国山地を望む、右奥の集落内に5号がある


羨道


平石を積んだ玄室、床面奥に棺床がある


奥から外、両袖式、玄室床面が一段下がる、石室入り口に閉塞石らしい石が残る


5号
横穴式石室
位置:33°57′14″N 133°27′55″E (日本測地系)
   33.95720299 133.46267337(世界測地系)
民家裏に残る古墳


羨道


玄室、2号より石材が大きい、床面に棺床があるのは同じ


奥から外、両袖式、やはり床面が下がっている


(見学記)
(2002年)
ここは場所が全く分からず初めから地元の人だより。いろいろ聞いてどうやら土居IC側の養鶏場の中にあるらしいというので行ってみたがわからない。経営者の方にも聞いてみたが知らないと言う。でも親切な方で役場に電話をしてくれたが専門の方ではないようでどうも話が通じない、どうやら大空・高原古墳群と聞くより別々の名前で聞いた方がよさそうだった。とにかく聞いた場所に行こうとしたが電話で道を聞いてもさっぱりわかりません。結局民家脇にある1基を見つけただけ。立っている標柱には確かに大空・高原古墳群と書かれているんだけどね。

(2007年)
土居町野田、上野田集会所すぐ南側の畑の中に2号があります。西向きに開口した石室は羨道玄室とも良好、羨道入り口に板状の石が倒れているが閉塞石だろうか。羨道玄室とも小型の石材が使われ玄門には柱状の袖石を立てています。玄室床面は一段下がっていますが中間から奥は石が積まれ一段高く棺床となっています
2号から300m程南、小さな集落の中の民家裏に5号があります。以前行っているけど場所はすっかり忘れている。人に尋ね民家の方に了解を得て見学しました。構造は2号と殆ど同じですが石材はこちらの方がやや大きい。2号が西向きなのに対してこちらは東向きになっています。共に県史跡。

お姫山古墳

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2007年3月訪問

円墳、R23
横穴式石室2
1号石室:玄室長3.1,幅1.9m
2号石室:玄室長3.5m
位置:34°00′22″N 133°35′03″E (日本測地系)
   34.00941984 133.58155252(世界測地系)

丘陵頂部にある古墳


1号石室羨道


1号石室側壁


2号石室、盗掘で大きく破壊、この奥に直行した1号石室がある


側壁の一部と玄門袖石が残る


(見学記)
宝洞山2号と間違えたお姫山古墳に行ってきました。場所は四国中央病院南側丘の上の住宅街西側に丘が残されていてその頂部にあり南側から細い道が通っています。古墳の手前に石碑があってすぐに墳丘ですが低平になっていてあまり目立ちません。まず目にはいるのが大きな盗掘跡、ここが2号石室で右手に側壁の一部と玄門柱石が残っている程度です。左側に廻ると西向きに1号石室があります。こちらは状態が良さそうですが羨道入り口はかなり埋まっていてカメラを突っ込んで撮影する程度。ブルーシートがかかっていたけど何のためだろう。2号石室盗掘跡の奥に1号側壁の一部が露出隙間があり中が覗けます。と言っても肉眼では殆ど分からずカメラを突っ込んで撮影する程度、小型の石を使った側壁で2号とほぼ同じようだ。
せっかくここまで来たので向山古墳と宝洞山古墳群も見学。向山古墳はまだ発掘中で周辺特に南側にトレンチが何本か入っていました。宝洞山の方は当然ながら変わりなし、前は2号の石室に入らなかったので突入してきたけどかなり埋まっていて狭い。背後に回ってみると周溝の跡が残されていました。住宅街の中最小限程度しか残さないのが多い中でよく残したものです。

向山古墳(宇摩向山古墳)

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2002年4月訪問、2007年3月再訪

墳形不明
横穴式石室2
1号石室、全長11.4m、玄室長4,幅2.4,高2.5m
2号石室、全長14.3m、玄室高3.8m
位置:34°00′13″N 133°35′14″E (日本測地系)
   34.00692023 133.58460771(世界測地系)

07年現在発掘中


1号石室正面


羨道からして立って入れるほど大きい


巨石を使った玄室、奥壁側壁天井石もみな巨大


奥から外、両袖式


2号石室正面、かなり破壊され内部は埋没


石室先端部


石室後方から、巨大な天井石


(見学記)
宝洞山古墳群南西250m、丘陵の麓近くにあるがここも案内板がなくて分かりにくい。金生川沿いの道から来た方がよさそうだ。墳形ははっきりしないが南向きの石室を2基持つ。西側の1号石室はほぼ完存、全長11.4m、巨石を使った県内でも有数の石室です。東側の2号石室は1号より規模が大きいと言うが大きく損壊、天井石は殆ど失われ内部も埋没しています。同じ場所にありながらどうしてこんなに違いがでたんでしょうね。最近保存整備に向かって検討中というニュースを見ました。一日も早くやってもらいたいです。県史跡。

丸藪古墳

愛媛県四国中央市(旧土居町)2007年3月訪問

横穴式石室
位置:33°57′18″N 133°27′39″E (日本測地系)
   33.9583139 133.45822937(世界測地系)

燧灘を望む緩斜面に立地


羨道開口部、立石は羨門の石か


羨道


玄室側壁開口部


玄室、奥壁はほぼ1枚石、外見から想像できないほど良好


奥から外、両袖式


羨道、奥から


(見学記)
土居町津根(現四国中央市)、国道11号津根交差点を南に曲がると突き当たりのT字路東側に長津公民館があり入り口左側の近隣案内図に丸藪古墳や大空高原古墳群の2基(他にもう1基)が載っています。古墳は道路脇の畑の中、古墳の所だけ高い樹木が生えているからすぐ分かります。墳丘は殆ど流失しかろうじて石室を覆う程度にしか残っていませんが外見からは想像できないほど羨道玄室とも良好に残っています。石室は西向きですが羨道入り口は大分埋まっていて狭い。玄室側壁に盗掘による開口部がありそこから入れます。玄室は長さ5mくらい、奥壁はほぼ1枚石の巨石、玄門は両袖式で上の櫃石もかなりの巨石です。羨道も大分埋まっていますがこういう状態で多分羨門まで残っているのは珍しい。市史跡。

宝洞山古墳群

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2002年4月訪問、2007年2月再訪

3基、残存2基

1号(天生津古墳)
円墳、R20,H5
横穴式石室、全長8.5m、玄室長4.1,幅1.8,高1.9m
位置:34°00′22″N 133°35′11″E (日本測地系)
   34.00941985 133.58377448(世界測地系)
上の道路から見た墳丘、よく残っている


南西側から


石室開口部


長い羨道


見事な玄室、奥壁は巨石、側壁もほぼ垂直に立ち上がる


奥から外、両袖式


2号
遠望、手前の林が1号(02年)


住宅街の中に残された墳丘(07年)


背後の周溝部分までよく残されている


石室開口部、玄門辺りのようだ


玄室内部、奥行きはそれ程なくかなり埋没


奥から外、両袖式


(見学記)
中央病院南側の丘陵にある3基からなる古墳群で1,2号が残存している。2号は丘陵頂部近くにあるが周囲がすっかり住宅地として開発され孤立峰のようになっている。説明板も何もないが南側に石室が開口、内部はかなり埋まっているようだ。墳丘背後も斜面をカットした跡が分かるよう、斜面のごく一部が残されている。1号墳(別名天生津古墳)は南側50m、住宅街下の斜面にある。こちらも案内板はないが説明板が立っている。墳丘は西側が大きく削られているが全長8.5mの石室はほぼ完存、奥壁に巨石を使ったなかなかのものです。入り口に柵があって中に入れないがちょっと隙間から失礼させてもらいました。1号が市史跡。実は帰ってくるまで2号墳を同じ丘陵にあるお姫山古墳と勘違いしていました。1号脇の説明板には2号は30m程上にあると書かれていましたが実際にはその倍以上離れていたしね。ただお姫山古墳には石室が2あるとなっていますがどう見ても1基しかなかったからおかしいとは思っていたんだけど。と言うわけでお姫山古墳は見逃してしまいました。

朝日山古墳

愛媛県四国中央市(旧川之江市)2002年4月訪問

円墳、R17,H4.5
横穴式石室、全長6.7m、玄室長4.5,2.0,2.4m
位置:33°58′29″N 133°35′25″E (日本測地系)
   33.97803548 133.58766291(世界測地系)

墳丘、石室入り口


羨道


玄室、奥壁は結晶片岩の巨石


奥から外


(見学記)
六五番札所三角寺へ行く道の途中にあります。道路脇にあるが特に案内表示もないのでうっかりすると見逃しそう。尾根の先端にある古墳は墳丘、石室とも良好に残っています。硬い結晶片岩を使った石室で奥壁は一枚石の巨石です。県史跡。
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