塚原古墳群

群馬県安中市(旧松井田町)2005年5月訪問

西横野10号
横穴式石室
位置:36°17′44″N 138°50′15″E

墳丘がよく残っている


石室開口部


自然石を使った玄室、隙間の小石までよく残っている


奥から外


西横野11号(塚原塚古墳)
横穴式石室
位置:36°17′43″N 138°50′15″E

道路脇に開口する石室、墳丘は殆ど残っていない


石室正面、玄門上の四角い石は後世の物


玄室、石材隙間に後からの補修がある


奥から外


西横野17号
横穴式石室
位置:36°17′51″N 138°50′30″E

墳丘流失、天井石が露出


石室正面


細長い石室


良好に残る玄室


奥から外


西横野19号
17号すぐ南側、天井石の一部が露出


(見学記)

同町塚原、碓井川南側の河岸段丘上に分布する古墳群です。JR磯辺駅から信越本線北側を並行して走る県道213号を西に行き松井田町に入ってから400mほど、十字路交差点脇に石室が開口しています。これが西横野23号(愛宕塚)、草が茂って分かりづらく通り過ぎてしまった。墳丘流失羨道も遺失していますが玄室残存、長さ3m程度。石材の隙間に補修の跡があるのが残念。側壁などが未加工の自然石を使っている中で玄門櫃石に当たる石が角柱状の加工がされているがこれはどうやら後世の物のようだ。このすぐ北側畑の側にあるのが西横野22号、こちらは割と墳丘が残っている。南側に石室が開口かなり埋まって狭いが中にはいると玄室完存、奥壁は2段積みの巨石、側壁も丸みを帯びた河原石を使って隙間の小石までよく残っています。畑にいた人に聞いた話ではかって天井の盗掘坑から中に入ったそうだがそんな隙間は天井には無かったような。十字路を北に400mほど下っていくと空き地の中に天井石が露出している。これが西横野17号、封土はすっかり流れ去り側壁を隠す程度しか残っていないけど見かけの割には石室は非常に良好に残っている。現存長5m程度、無袖式でしょうか細長い玄室です。自然石を使った側壁も整然と積み上げていてなかなか見事です。この周囲にも幾つかの古墳が見えている。

野殿天王塚古墳

群馬県安中市 1992年1月訪問

円墳、R19,H5.5、7C前半
横穴式石室、全長11.2m,玄室長5.1,幅2.3,高2.2m
位置:36°19′19″N 138°55′26″E

墳丘西側


石室入り口


玄室、天井、奥壁は2個の巨石、天井も巨石だがかなり隙間がある、側壁は隙間に小石を詰める


両袖式


羨道奥から、途中に段差があり上にも石が架けられていてかなり狭くなっている


(見学記)

平坦な丘陵の北端、平野がよく望める位置に立地する7C前半の円墳で径19m、高5.5m。墳丘は雑木に覆われていますが畑の一角でよく分かります。南側に石室が開口、入り口天井が破壊されていますが他はほぼ完存。全長11.2mの両袖式で玄室奥壁や天井は巨石を使用、側壁は割石で隙間に小石を詰めています。羨道途中で床面に段差があり上にも石が架けられていてかなり狭くなっています。市史跡。

二軒茶屋古墳

群馬県安中市 2005年5月訪問

横穴式石室
位置:36°21′07″N 138°50′42″E

民家の間に残る墳丘


石室正面、羨門まで良好に残る


長い羨道


玄門、上下に閉塞扉を填め込んだ溝が残る


巨石2段積みの奥壁、天井石も巨石1枚石


奥から外


切石積みの側壁、かなり複雑な形の切石


(見学記)

万福原古墳から県道215号に戻って西進、県道122号に交わって大きくカーブして丘陵上に上った辺りの住宅街の中にあります。民家の間に墳丘が残っていますが石室は羨門まで完璧に残っています。細長い羨道を前屈みになって玄室にはいるとそこは切石積みの見事な石室、複雑な形の切石を巧みに組み合わせています。奥壁は巨石の2段積み、天井石も巨大な1枚石で長さも4mくらいあります。ただ左右の幅にあまり余裕がないようで下手に上から盗掘されたら玄室に落下したかもしれない。また玄門の櫃石やしきみ石には閉塞扉を填め込んだような溝が残っています。それにしてもこれほど見事な石室なのに説明板も何もないんですからね。なんと言うべきか。ここで興奮しすぎて東側にあるはずの石室を見るのをすっかり忘れてしまった。

めおと塚古墳

群馬県安中市 2005年5月訪問

横穴式石室
位置:36°20′05″N 138°53′20″E

上から見た石室、羨道はすっかり破壊されている


これが羨門の石か


玄室正面


巨石1枚石の奥壁


奥から外


複雑な切石積みの側壁


(見学記)

市役所東側の市道を北に行き、川を越えて600m程で左に市営住宅アパートがあります。この北側の細い道を上っていきます(軽トラなら上がれるだろうけど車で行かない方がいいですよ>某O氏)。一応詳しい地図を貰っていたのだが山に登る道を聞いていたし現地に行けば何とかなるだろうと思って地図を持っていかなかったのが失敗。細い道はバイクで上がれるのでついつい上の神社まで行ってしまった。側に墳丘らしいものはあったが石室はなさそう。その先にも樹木が伐採されて裸になった場所があり尾根の高まりがいかにも古墳に見えてついつい探し回ってしまった。
後日地図(と言っても山道が多少のっている程度だが)を持って再挑戦。途中にある畑から道をそれ更にかなり消えかかった山道を歩いていくと元果樹園だった平坦地にでます。その手前左側に怪しき場所があったのだが藪で近づけず断念。果樹園周辺を探しているうちにすっかりそのことを忘れてしまった。対して広い場所ではないの幾ら探しても石室らしきものは見あたらず諦めかけた時に珍しい野生のエビネを発見。これを手みやげにと写真を撮っていると(一応花のホームページ「花盗人の庭」を持ってます)、ふと見上げた目の前の斜面が何となく墳丘ぽい。上がってみたら石室があった(万歳)。しかもここがやはり最初怪しいと思った場所ではないか(汗)。墳頂が大きく盗掘されて石室が露出、羨道は殆ど破壊されていますが羨門らしき石が2個並んでいて(これがめおと塚の名の由来かな)かなり細長い羨道のようです。羨道に比べて玄室は一部壊れている場所もありますが良く残っています。ほぼ正方形プランで奥壁は一枚石、側壁も切石積みです。諦めて帰っていたら後悔しただろうなというような石室でした。

万福原古墳

群馬県安中市 2005年5月訪問

円墳、R12,H3
横穴式石室、全長7.08m、玄室長2.81,幅2.1-2.25,高2.9m
位置:36°21′15″N 138°53′01″E

丘陵上の平坦地に構築された墳丘


石室正面、羨門まで良好に残っている


羨道


巨石1枚石の奥壁


奥から外、玄門上の石も巨大


(見学記)

市営住宅前の市道を北上して県道215号から211号を北上すると立石地区でY字路になっている正面の丘陵上にあります。全体が畑になっていて曲がりくねった道が上まで延びていて丘陵頂の平坦面に構築されています。ここも羨門まで石室は極めて良好に残っています。石室長7.08m、玄室長2.81m、幅2.-2.25m、高2.9mの大型石室で奥壁は山の上とも思えない巨大な1枚石で出来ています。遠くに碓井川水系も見通せる眺めの良い場所です。市史跡。

簗瀬八幡平首塚

群馬県安中市 1992年1月訪問

円墳、R21,H3.9

古墳の横穴石室の外側に中世の頭骨150個を江戸時代に再埋葬という複雑な遺跡


(見学記)

二子塚前方部西側にある横穴石室を持つ円墳ですがよその場所に葬られていた中世の頭骨150体分が江戸時代に石室の外側に再埋葬されたという複雑な遺跡。市史跡。

国衙古墳群

群馬県安中市(旧松井田町)2005年5月訪問

九十九13号
大きな墳丘が残る


九十九16号
横穴式石室
位置:36°19′02″N 138°49′15″E

天井石を壊失した石室


玄室奥の天井石だけ残存


玄室奥壁


九十九22号
横穴式石室
位置:36°19′26″N 138°48′54″E

畑の中に僅かな高まりが残る


玄室奥壁、内部はかなり埋まっている


九十九23号(愛宕塚古墳)
横穴式石室
位置:36°19′41″N 138°48′21″E

墳頂部に露出した天井石、内部はかなり埋没


右が奥壁、かなりの巨石


(見学記)

同町国衙、九十九川と増田川に挟まれた丘陵一帯に分布する古墳群です。まず九十九小学校前の県道から町道を直進し200m程で左折して左に下っていくとすぐの畑の中にあるのが九十九22号。殆ど古墳と分からないほど低くなっていて石室もかなり埋まっていますが隙間にカメラを突っ込んで奥壁当たりを撮影、こういうときデジカメは本当に便利だ。更に下っていき皮の手前で道をそれ長松寺の方に行くと寺の手前で鳥居があり、これが九十九23号(愛宕塚)、墳頂に天井石が露出、1枚抜き去られ土砂が流入して殆ど埋没していますが奥壁はかなりの巨石のようだ。九十九小学校に戻って県道を南下、国衙交差点を過ぎてすぐ右手の畑の中に九十九13号、16号があります。13号の大きな墳丘を見つけて早速写真を撮ろうと思ったら・・・無い、無い、カメラバッグが無い(大汗)。愛宕塚で昼飯を食べたときに祠の側に置いたのを忘れたらしい。慌てて取りに戻ったが無事にあってホッ。殆ど人が訪れないような神社なので助かった。気を取り直して撮影を再開、13号の南側に16号があります。小型石室露出、天井石も1枚だけ残っている程度で玄室奥辺りが比較的良好に残っている程度です。

小日向古墳群

群馬県安中市(旧松井田町)2005年5月訪問

九十九4号
横穴式石室
位置:36°18′59″N 138°49′37″E

割と墳丘が残っている


石室正面


自然石を使った玄室、一部でかなりの巨石を使用


奥から外


(見学記)

国衙から県道を更に西に行き川を渡って300mほど、右手に民家の間に九十九4号があります。羨道は殆ど壊失していますが割と大型の石材を使った玄室が完存しています。物置に使われているようなのが残念だけど。この古墳群は他に良好な石室が見られるのはなさそうだ。

岩野谷53号

群馬県安中市 2005年5月訪問

横穴式石室
位置:36°18′58″N 138°53′09″E

開口部


小型玄室


奥から外、羨道埋没


(見学記)

同市大谷、県道171号沿いの民家の脇の小道を上がると尾根上の竹林の中に墳丘があり南側に石室が開口しています。羨道は埋没、玄室も少し埋まっているようです。長さ 3m 程度の小型。

磯貝塚古墳

群馬県安中市 2006年3月訪問

横穴式石室
位置:36°21′02″N 138°50′50″E

石室正面


羨道


玄室


巨大なまぐさ石、袖石との合わせ目に段差をつけている


(見学記)

二軒茶屋古墳南東200mにある石室墳です。昨年二軒茶屋古墳を見学したときうっかり見逃してしまい再訪しました。民家敷地内にある古墳は墳丘は大分小さくなっているようだが石室は完存、奥壁は2段積みで全体に見事な作り、玄門上のまぐさ石は特に巨大です。ずれるのを防止するためでしょうか下側に僅かに段差をつけて袖石と組み合わせています。それにしても群馬県の古墳を紹介した本は何冊かあるがここや二軒茶屋や他の素晴らしい石室墳が全く紹介されてないのは何ででしょうね。それだけ群馬県に素晴らしい石室墳が多いという事なんでしょうけどね。
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