栃木県足利市 1999年1月訪問
20基、公園内に前方後円墳1,円墳9
墳丘が整備され3基で石室が見学できる
明治19年に坪井正五郎が調査したことで有名
位置:36°20′02″N 139°26′18″E
分布図(説明板より)1,2号が坪井正五郎が調査した古墳
1号円墳、R16,H4.5
横穴式石室、玄室長3.5,高1.75m
2段築成の墳丘、葺石を巡らす

上側から見た墳丘、山側は1段積みの省力形、かなり急斜面にあることが分かる

無袖式玄室、側壁、奥壁、天井石の違いが興味深い、開口している3基の石室の内ここだけ側壁が大きく異なる
2号 円墳、R21,H4.8
中央の大きな墳丘、石室があるが見ることは出来ない、手前に5号、左7号、右8号
3号前方後円墳
横穴式石室
後円部正面、右奥に前方部が見える

両袖式石室、奥壁2段積み、チャートの割石が他と共通の基本構造
5号円墳
横穴式石室
墳丘石室正面

無袖式石室、基本構造は同じながら石の積み方がやや荒い感じ
7号
8号
9号
西側の3基は現状のまま保存
(見学記)緑町にある足利公園内にある古墳群です。明治9年坪井正五郎による我が国初の学術調査によって発掘された古墳として有名です。現在10基の古墳が公園内に保存、「日本の古代遺跡(栃木)」p230の写真から薄暗い林の中にあると思っていたらすっかり整備され西側の3基を除けば芝生が張られて復元されていました。2号が飛び抜けて大きく5,7,8号等はその裾にへばりついている感じ。1号は2号すぐ南側の急傾斜地に立地、平成3年の発掘結果に基づき復元されています。墳丘は2段築成、それぞれの裾に埴輪(これは復元されていません)と玉石が巡らされていますが、下段の山側は省略されています(よくあることですが)。上段に横穴石室が開口、全長3.5mの無袖式、石積みは足利市周辺によく見られる形式(奥壁は上下2枚、側壁はチャートの割石)とは異なり、奥壁はチャートを上下に2枚ですが側壁は玉石を小口積みにしています。葺石の分が余ったのを転用したのかいな。入り口に柵があって入れませんが照明装置が付いていて中を覗くことが出来ます(無くても特に問題ないけれど)。5号も小型の石室が開口、奥壁は2枚、側壁はチャートの割石の無袖式です。中央辺りにあるのが3号、前方部幅の広い前方後円墳として復元されています。後円部に石室が開口(柵あり)、ここも石組みは同じ形式、無袖式ですが側壁に僅かな段差があります。